研究課題/領域番号 |
18K08258
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 恭彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60402632)
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研究分担者 |
水野 正司 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (20303638)
勝野 敬之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60642337)
武井 佳史 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (70362233)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 腹膜透析 / 透過性亢進 / D/P Cr / 炎症 / IL-6 / 食塩 |
研究実績の概要 |
本研究は、『腹膜透析における除水不全、腹膜機能障害の病態を解明しその改善を目指した新規治療ターゲットの確立』を目的としている。現在、下記につき、研究・解析を進めている。 1)『内皮細胞Glycocalyxの障害が腹膜透過性に関与する仮説』の研究 ヒト腹膜組織で2重染色を用いたGlycocalyxの評価方法を確立した。腹膜透過性とGlycocalyxの関係、さらにin vitroにおいて透析液の種類(中性液と従来の酸性液)との関連性を検討し、中性液の有効性を確認した。現在、研究継続中であり細胞実験をさらに進める予定である。
2)『慢性腎不全状態に食塩を多量摂取すると炎症が惹起され腹膜透過性に関与する仮説』の研究。本モデルが炎症を伴い腹膜透過性が亢進することを見出した。D/P Cr, D/D0 Glucose, 蛋白漏出, PD排液のサイトカイン等を測定した。免疫組織学的、血液、PD排液からさらに機序の検討を進め論文化した。重要な点は、食塩が循環系・体液量への影響のみならず、軟部組織等に沈着しTonEBPを活性化し、macrophageの浸潤から炎症を惹起し、血管新生、血管透過性を亢進。腹膜透過性亢進に繋がるという点である。この現象は、IL-6を介しておりそれを抑制することで、この悪循環を断ち切り改善させるということを見いだし下記のように報告した。Excessive salt intake increases peritoneal solute transport rate via local tonicity-responsive enhancer binding protein in subtotal nephrectomized mice. Sun T, Ito Y (11人中11番目) Nephrol Dial Transplant. 2019 ;34:2031-2042.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文化することができているので。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り計画を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、論文のリバイスで大きい実験が出来なかったので、2020年へ回し実験を計画中です。
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