研究課題
本研究は、『腹膜透析における除水不全、腹膜機能障害の病態を解明しその改善を目指した新規治療ターゲットの確立』を目的としている。現在、下記につき、研究・解析を進めている。1)『内皮細胞Glycocalyxの障害が腹膜透過性に関与する仮説』の研究 ヒト腹膜透析実施後の腹膜組織で評価を進めている。2重染色を用いたGlycocalyxの評価方法を確立した。Glycocalyxのコア蛋白であるヘパラン硫酸の異なった部位を認識する3種類の抗体で評価し、レクチンを用い糖鎖の結合によりその糖鎖の発現を検討した。透析液の種類(中性液と従来の酸性液)の検討において、従来の酸性液では糖鎖が早く消失することが明らかになり、中性液の生体適合性の高い点が示された。現在、投稿準備中である。2)『慢性腎不全状態に食塩を多量摂取すると炎症が惹起され腹膜透過性に関与する仮説』の研究。本モデルが炎症を伴い腹膜透過性が亢進することを見出した。食塩が循環系・体液量への影響のみならず、軟部組織等に沈着しTonEBPを活性化し、Macrophageの浸潤から炎症を惹起、血管新生、血管透過性を亢進。腹膜透過性亢進に繋がるという点を明らかにした。この現象は、IL-6を介しておりそれを抑制することで、この悪循環を断ち切り改善させるということを見いだし以下に報告した。Excessive salt intake increases peritoneal solute transport rate via local tonicity-responsive enhancer binding protein in subtotalnephrectomized mice. Sun T, Ito Y (11人中11番目) Nephrol Dial Transplant. 2019 ;34:2031-2042.
2: おおむね順調に進展している
1論文が受理され発表となり、もう1論文は投稿直前まで来ている状況であるので。
現在進行中の論文を早急に受理まで持っている。
論文投稿の方向まで来ているが、追加実験が残っており実験材料購入、また投稿費用に使用する予定である。
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Nephrol Dial Transplant
巻: - ページ: -
10.1093/ndt/gfaa073.