研究課題/領域番号 |
18K08259
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柳 輝希 北海道大学, 大学病院, 助教 (50755973)
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研究分担者 |
秦 洋郎 北海道大学, 医学研究院, 助教 (90399915)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / 角化 / 有棘細胞癌 / 紫外線 / 細胞死 / ノックアウトマウス |
研究成果の概要 |
ミトコンドリア分裂および細胞死関連分子のDrp1欠損マウスを作成した。表皮特異的Drp1ノックアウトは、胎生致死などを示さず出生した。胎児期・出生後の皮膚障害は認められなかった。電子顕微鏡によるミトコンドリア形態の観察では、ミトコンドリアの一部変形を認めたが、基本的には正常であった。ノックアウトマウス皮膚は、紫外線による細胞死誘導は正常であった。長期紫外線照射によって、皮膚がん発生への影響を検討したところ、腫瘍の形成能が亢進していることが分かった。以上から、ミトコンドリア分裂因子Drp1欠損は表皮の発生・分化への影響は認められず、紫外線発癌を促進する可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
皮膚腫瘍学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではミトコンドリアと表皮角化細胞の分化と発癌を中心に解析した。ミトコンドリア分裂因子Drp1欠損は表皮の発生・分化への影響は認められず、紫外線発癌を促進する可能性が示唆された。さらに、腫瘍細胞に対するDrp1のノックダウン実験では腫瘍細胞の増殖抑制作用が認められた。これらの結果はDrp1は表皮細胞の分化には直接には影響を与えないが、腫瘍を形成した場合には不可欠の分子になることが考えられた。これらの成果は、今まで十分に注目されてこなかったミトコンドリアと癌をターゲットとした新規治療戦略につながる可能性がある。
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