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2018 年度 実施状況報告書

皮膚発癌におけるヒトパピローマウイルスE6/E7の役割とCD55陽性細胞との関連

研究課題

研究課題/領域番号 18K08260
研究機関弘前大学

研究代表者

六戸 大樹  弘前大学, 医学研究科, 助教 (50436036)

研究分担者 中野 創  弘前大学, 医学研究科, 准教授 (90281922)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードパピローマウイルス / 皮膚発癌
研究実績の概要

過去に当科で手術を行った表皮角化細胞由来腫瘍(皮膚有棘細胞癌、ボーエン病、ボーエン病様丘疹症)について、保存されているホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)標本からDNAを抽出した。HPV-DNAを検出するためのPCRは、GP5+/GP6+,L1C1/L1C2+C2Mの2組のコンセンサスプライマーペアを用いて行った。増幅されたPCR産物をダイレクトシークエンス法で塩基配列を読み取り、HPVのタイピングを行った。
今年度は、有棘細胞癌15例、ボーエン病10例、ボーエン病様丘疹症2例のFFPE標本からDNAを抽出した。これらのうち、有棘細胞癌4例(26.7%)、ボーエン病3例(30%)、ボーエン病様丘疹症1例(50%)でHPV由来DNAが増幅された。HPV型は、ハイリスクタイプのHPV-16が最も多く、他にHPV-18、HPV-56、HPV-57が検出された。これらの症例の解析結果から、外陰部原発の皮膚腫瘍においてHPVの検出率が高い傾向が確認された。次年度においても、さらに症例を増やして解析する。
HPVのE6を過剰発現させるプラスミドをデザインし、表皮培養角化細胞へ導入するためのトランスフェクション法を検討した。培養表皮角化細胞への遺伝子導入効率が低かったため、ケラチノサイト用のリポフェクション試薬を導入する予定である。さらに、皮膚有棘細胞癌の培養細胞株自体が少ないため、使用可能な細胞株が限られる。効率が低い細胞(とくにA431細胞)へのトランスフェクション方法のさらなる検討が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画の通りに皮膚腫瘍からDNAを抽出してHPVの検出を行い、腫瘍の発生部位によってHPVの検出率が異なり、さらにはHPVタイピングによりHigh risk群HPVが検出されやすいという知見が得られたため。

今後の研究の推進方策

臨床検体からのHPV検出を継続する。表皮角化培養細胞への遺伝子導入を含めたin vitro実験を進める。HPV oncoproteinを発現させた細胞における腫瘍学的性質の確認を行う。

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公開日: 2019-12-27  

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