研究課題
一部の自己免疫性水疱症はIgGおよびIgA自己抗体を示す。本研究では、これら異種クラスの自己抗体がクラススイッチリコンビネーション(CSR)を経て発現しているかを検討した。初めの2年間で、IgG/IgA天疱瘡、線状IgA/IgG水疱性皮膚症および抗BP180型粘膜類天疱瘡(MMP)におけるIgGとIgA自己抗体の存在を、各種蛍光抗体間接法、免疫ブロット法およびELISA法による検索で確認した。3年目の本年度は、まず多数の抗BP180型粘MMPの患者血清についてBP180 全長C末端部リコンビナント蛋白の免疫ブロットを施行し、IgG、IgA両方の抗体を有している4種の血清を見出した。この4血清の反応性をさらに詳細に検討するため、BP180全長C末端部をカバーする3種の断片リコンビナント蛋白を作成した。それぞれの断片リコンビナント蛋白の特異的プライマーを作成し、BP180全長C末端部のcDNAをテンプレートとして、Takara BioのIn-fusion HD Cloning Kit を用いてPCRを施行した。そのcDNAを大腸菌発現ベクターに組み込み、リコンビナント蛋白を発現し、その発現を抗GSTtag抗体の免疫ブロットで確認した。この3種の断片リコンビナント蛋白の免疫ブロットを用いて上記4血清を検討した結果、すべての血清において、それぞれの血清のIgGとIgA抗体は同じ断片リコンビナント蛋白に反応した。この4血清の反応の同一性は、IgG1-IgG4、IgA1, IgA2の6種のサブクラスの二次抗体を用いた3種の断片リコンビナント蛋白の免疫ブロットによる検索で確認された。以上のように、血清中の異種クラスの自己抗体が同一の断片リコンビナント蛋白に反応したことから、抗BP180型MMPでは同一のB細胞がCSRを経て異種クラスの自己抗体を産生していることが示唆された。
すべて 2020
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