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2019 年度 実施状況報告書

重症薬疹における薬物とHLA の結合様式の解析および重症薬疹治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K08277
研究機関昭和大学

研究代表者

渡辺 秀晃  昭和大学, 医学部, 教授 (80327931)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード重症型薬疹 / HLA / 薬剤抗原提示 / ドッキングモデル / 薬疹発症予測 / 薬疹治療薬開発
研究実績の概要

本研究において、ある共通の化学構造式を持った薬剤が特定のHLAと結合しやすくなっていることを確認し、さらに検討を進めている。まず、ジアフェニルスルフォンがHLA-B*31:01を持つヒトに薬疹を呈しやすいことに注目しHLA-B*31:01の構造と薬疹を起こさないが構造の相同性が99%以上である(全338アミノ酸残基中3残基の違いしかない)HLA-B*31:02についてコンピュータ画像解析で検討した。するとHLA-B*31:01中の95番目のアミノ酸残基が側鎖の小さいイソロイシンであるためサブポケットを形成していること、HLA-B*31:02では側鎖の大きいトリプトファンでありサブポケットを作らない事が分かった。また、ジアフェニルスルフォンはHLA-B*31:02と比べHLA-B*31:01とは強く結合することが結合エネルギー計算で確認された。更に、これまでHLA-B*31:01を有するヒトとの薬疹が報告されているフェニトイン、フェノバルビタールでも検討を行った。その結果、これらの薬剤はベンゼン環を持ちその近傍にカルボニル基を持っていることが共通の構造で、これらの構造がHLA-B*13:01のサブポケットと結合しやすいことが分かった。現在それらの薬剤とHLAとの結合力を検討している。またそのサブポケットに嵌まり込む薬剤を創ることを念頭に、詳細なポケットの構造を調べている。既に本研究の一部をJ Immunol Res. 2018で報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

薬疹を生じやすい数種の薬剤の化学構造とHLAの立体構造をコンピュータ画像解析により検討を行い、ある種の薬剤の共通した特有な構造がHLAのサブポケットと結合し薬疹を生じている、という結果を得た。既に結果の一部を英文誌で報告しており、予定通りの研究の進歩状況と言えるため。

今後の研究の推進方策

ある種の薬剤の共通した特有な構造とHLAのサブポケットの詳細な立体構造および結合力の検討を行い、さらに、HLAのサブポケットに嵌まり込む分子(薬剤)を開発することで、薬疹治療薬の開発の基盤を作る予定である。

次年度使用額が生じた理由

試薬費購入で一部今年度は購入しなくて済むものがあったため、次年度に使用することとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Drug-induced hypersensitivity syndrome/drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms due to lamotrigine differs from that due to other drugs.2019

    • 著者名/発表者名
      Tashiro Y, Azukizawa H, Asada H, Niihara H, Morita E, Yamauchi T, Mizukawa Y, Kusakabe Y, Numazawa S, Izumi M, Sueki H, Watanabe H.
    • 雑誌名

      J Dermatol

      巻: 46 ページ: 226-233

    • DOI

      10.1111/1346-8138.14776.

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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