研究課題/領域番号 |
18K08290
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤澤 康弘 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70550193)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 人工知能 / ディープラーニング / 畳み込みニューラルネットワーク / 皮膚腫瘍 |
研究実績の概要 |
現在研究中のシステムはすでにBritish Journal of Dermatologyに掲載された論文のものと異なり,判別出来る腫瘍の種類を増やすだけでは無く,誤判定に対応するための新たな工夫を取り入れている.誤判定しやすい腫瘍の特徴が見えてきており,画像のどの部分に着目して判定した場合に間違いが起きやすいのかの解析を進めている.GradCamは画像のどの部分に着目しているかを可視化する技術であり,この手法により腫瘍の位置を特定して,その部分に着目させるなどの改善策を検討している.また,同じ腫瘍でも色調の違いにより判別が難しくなるものも見られることから,色調の違いにより同じ診断名でも診断クラスを分けておくことでより正しいクラス分類ができる可能性がある.また,AIを並列に並べて判定結果を総合して行うEnsenbleと言う手法はこれまでに試されてきているが,直列に並べるという方法は少ない.判定結果によりさらに別のAIで判定を行うという新たなアルゴリズムも現在試行中であり,判定結果にどのような影響を与えるかを評価している最中である. 本研究の目的として,判定AIのシステムを社会に実装するという事も挙げている.それには携帯デバイスで写真を撮り,判定するシステムが最も普及しやすいと考え,携帯デバイス向けのアプリケーションの開発も行っている.専用のソフトを開発する方法,ウェブブラウザーを利用する方法など様々な可能性を視野に入れており,すでにプロトタイプも出来ている.今後はインターフェースの改善や判定精度の評価を行っていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
判定精度やプロトタイプの作成など進捗は概ね順調と考える.
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている新たなアルゴリズムのファインチューニングを行い,社会実装に耐えられるような判定精度をコンスタントに出せる,ロバスト性を検証していく.また,社会実装に必要なインターフェースの改良も必要であり,これは実際の臨床の場でのテストを行い,フィートバックを得る必要がある.そのためには臨床試験を行う必要があり,その実行に向けた準備を行う.
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