研究実績の概要 |
イミキモド誘発乾癬モデルマウスに対するエンドセリン受容体拮抗薬(アンブリセンタン)外用の乾癬発症予防効果の機序の解明を目的とし、実験を進めた。 エンドセリン受容体拮抗薬塗布群、コントロール群の両群のリンパ節を摘出し、リンパ節内の樹状細胞の活性化をフローサイトメトリーで解析したところ、エンドセリン受容体拮抗薬塗布マウスのリンパ節内樹状細胞は、活性化マーカー(CD86, CD80)が、コントロールマウスのリンパ節内樹状細胞と比較して発現が減少していた。そこで、エンドセリン受容体拮抗薬塗布は、皮膚炎の所属リンパ節内での樹状細胞・T細胞の相互作用を減弱させ、T細胞の活性化・サイトカイン産生に影響を与えている可能性を考え、同様に両群からのリンパ節内のT細胞のサイトカインFACSを行ったところ、予想通りT細胞からのサイトカイン産生は減少していた。 これらの結果から、エンドセリン受容体拮抗薬塗布は、皮膚炎の所属リンパ節内での樹状細胞の活性化を減弱させ、T細胞機能(サイトカイン産生)を減少させることで乾癬の皮疹を軽減させる可能性が示唆された。
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