研究課題
まずB6マウスに同一の遺伝的背景を持つマウスメラノーマを播種させ、同系統のiPS細胞由来マクロファージ(iPS-MP)で治療する実験系を用いて研究を行った。IL-15、OX40、4-1BBL遺伝子改変を行なったiPS-MPは、遺伝子改変をおこなっていないiPS-MPよりも、有意に腫瘍の播種を抑制した。今年度は特にiPS-MP-41BBLの効果発現メカニズム、特に抗原特異的なT細胞に対する影響を解析した。モデル抗原として卵白アルブミン(OVA)とOVA発現マウスメラノーマ(MO4)を用いた。OVAペプチドを負荷したiPS-MP-41BBLの投与によりマウス体内でOVA特異キラーT細胞が脾臓で増加すること、さらには腫瘍内浸潤も増加することを確認した。4-1BBLがない細胞での免疫に比べて、CD8陽性かつOVAテトラマー陽性細胞は6.21%から20.89%と増加していた。このことは、iPS-MP-41BBLが抗原特異的なキラーT細胞をマウス体内で効率的に誘導できることを示している。また、in vitroでOVA特異的なT細胞の増殖をiPS-MP-41BBLが有意に増強することも確認した。また、将来の臨床応用を目指して、B6マウスと遺伝的背景が同じB6マウス由来iPS細胞を使った治療と、MHC class Iは同じだが、MHC class II がひとつだけ違う遺伝的背景をもつE14-ES細胞から作成したMPすなわちE14-ES-MP-41BBLとその治療効果を比べた。その結果、ほぼ遜色ない効果を確認した。これは、将来iPSバンクを用いたアロ細胞治療を行うときに、他人から作成したHLAが若干不一致なiPS-MPでも治療ができる可能性を示している。このとき、各臓器を組織学的に検討したが、自己免疫現象が起きている所見はなかった。
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