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2018 年度 実施状況報告書

表皮内におけるIL-13産生T細胞の分化誘導シグナルの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K08302
研究機関鹿児島大学

研究代表者

河井 一浩  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90242411)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードIL-13 / T-cell receptor / differentiation / signaling pathway
研究実績の概要

マウスの表皮内に常在するγδT細胞はVγ3鎖とVδ1鎖からなる単一のT細胞レセプター(TCR)を発現し、表皮ケラチノサイト上に発現する未同定の自己リガンドを認識してIL-13を産生する。マウス表皮内γδT細胞の胎仔胸腺内前駆細胞はIL-13を産生せず、皮膚に遊走後に出生前後の表皮内でIL-13産生能を獲得する。表皮内におけるIL-13産生T細胞の分化誘導シグナルとしてTCRシグナルおよびTSLPシグナルが働いている可能性を考えて、TCRδ鎖、TCRVδ1鎖、TSLPレセプター遺伝子欠損マウスにおける表皮内T細胞のサイトカイン産生能を解析した。TCRを介して表皮ケラチノサイト上のリガンドを認識できないTCRδ鎖遺伝子欠損マウスの表皮内αβT細胞はIL-13ではなくIFN-γを産生した。TCRVδ1鎖遺伝子欠損マウスの表皮内にはVδ1鎖以外のTCRδ鎖を発現するγδT細胞が存在するが、その一部は表皮ケラチノサイト上のリガンドを認識する。TCRVδ1鎖遺伝子欠損マウスの表皮内Vγ3T細胞とVγ2T細胞はいずれもIL-13を産生した。TSLPレセプター遺伝子欠損マウスの表皮内γδT細胞はIL-13を産生した。これらの結果からTCRシグナルが表皮内におけるIL-13産生T細胞の分化誘導シグナルとして働いていることが示唆された。IL-13産生T細胞の分化誘導におけるTCRシグナルの役割をより直接的に解析するために、新生仔表皮細胞を固層化抗TCR抗体とIL-2の存在下で培養してIL-13産生T細胞への分化を誘導するモデルを確立した。このin vitro分化誘導モデルにTCR下流の各シグナル伝達経路の阻害薬を添加し、Vγ3T細胞のIL-13産生能を検討した結果、IL-13産生T細胞の分化誘導に働くシグナルの候補となるTCR下流のシグナル伝達経路が同定された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画どおりIL-13産生T細胞の分化誘導に働くシグナルの候補となるTCR下流のシグナル伝達経路が同定されたため。

今後の研究の推進方策

IL-13産生T細胞の分化誘導に働くシグナルの候補となるTCR下流のシグナル伝達経路が同定されたため、今後は新生仔表皮内γδT細胞のin vitro分化誘導モデルを用いてIL-13産生T細胞の分化誘導に働くシグナルの詳細を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Differentiation of murine resident epidermal T cells into IL-13-producing cells in the perinatal epidermis2018

    • 著者名/発表者名
      Ibusuki A, Kawai K, Kanekura T
    • 学会等名
      第32回表皮細胞研究会
  • [学会発表] マウス表皮内γδT細胞は出生前後の表皮内でIL-13産生細胞に分化する2018

    • 著者名/発表者名
      指宿敦子, 河井一浩, 金蔵拓郎
    • 学会等名
      第182回日本皮膚科学会鹿児島地方会

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公開日: 2019-12-27  

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