研究課題
2018年までに10株以上のブルーリ潰瘍原因菌菌株について、次世代シークエンサー(NGS)を用いて全ゲノム核酸解析を行ってきた。この過程で日本におけるブルーリ潰瘍原因菌は全て、亜種であるM. ulcerans subsp. shinshuenseであることを見出した。また分離菌は驚くべきことに地域差があり、分離地域ごとに類似した菌種が固まっていることを見出した。これらの結果を受けて、2019年度は、ブルーリ潰瘍原因菌8株のメチル化について、NGSを用いて解析を行った。驚くべきことに、アフリカ株とアジア株で全ゲノム領域において、メチル化の程度が異なることが示唆された。我々はアフリカ株とアジア株を背景を統一したマウスへの感染実験を行っているが、Average Nucleotide Identity (ANI)は両群で98%以上であるにもかかわらず、病原性(感染開始から個体死亡までの期間)が異なることを示しているが、この原因の一つにメチル化の程度が関与している可能性を考え、2020年度はより多くの菌株のメチル化をNGSで解析する予定としている。これらの解析によってより詳細にブルーリ潰瘍原因菌のキャラクターを解明することにつながると考えている。
1: 当初の計画以上に進展している
既に、ブルーリ潰瘍原因菌の全ゲノム解析を10株以上で終了している。またメチル化の解析についても2019年度より着手して、クラスター間で、メチル化の程度の相違を発見しているため。
アジア株とアフリカ株でメチル化の程度が異なっていることが判明したため、確認のためにより多くの菌株を全ゲノム解析及びメチル化解析を行う予定としている。その後、この傾向が確固たるものであれば、他のアッセイで評価を行う予定である。
効率的な使用に努めた結果、次年度使用額が生じたが、次年度は最終年度であるので、十分な実験計画を立てる予定である
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件)
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