鉄芽球性貧血は、先天性と後天性に大別されるが、その大部分は骨髄異形成症候群(MDS)に伴う後天性鉄芽球性貧血(MDS-RS)である。MDS-RSにおいては、RNAスプライシング機構に関わるSF3B1遺伝子の変異を多くの症例で認めるが、環状鉄芽球の形成機序については明らかとされていない。ヒトさい帯血由来赤血球前駆細胞株HUDEP-2細胞についてSF3B1-K700E安定発現株を樹立したところ環状鉄芽球形成が確認された。さらに先天性鉄芽球性貧血の原因遺伝子であるABCB7の低下を認めたので、HUDEP-2細胞でABCB7遺伝子をノックダウンしたところ、同様に環状鉄芽球形成が確認された。
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