研究課題/領域番号 |
18K08319
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
桐戸 敬太 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90306150)
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研究分担者 |
川島 一郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (20622369)
三森 徹 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (80377514) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 骨髄間質細胞 / lysyl oxidase / type1 コラーゲン / SAPK/JNK / metformin |
研究実績の概要 |
本年度は、MPN細胞における小胞体ストレス反応により骨髄間質細胞がどのような変化を受けるかに焦点をあて研究を進めた。骨髄間質細胞のモデルとしてヒト骨髄間質細胞より樹立されたHS-5細胞株を用いた。まず、HS-5細胞株をMPN細胞株(HELおよびSET-2)と共培養を行うことにより、HS-5においてLysyl oxidase(LOX)の発現が誘導されることを見出した。LOXは、type Iコラーゲンの架橋を司る酵素であり組織の線維化において重要な酵素であることから、MPN細胞による骨髄線維化誘導の一つのモデルになるのではないかと考えた。この減少は、共培養のみならずtrans-wellシステムを用いてMPN細胞とHS-5が直接に接触しない条件としても確認されたことから、MPN細胞から細胞外へ放出された因子によるものと考えた。なお、HS-5細胞においてLOXが誘導されるさいに、どのようなシグナル分子が活性化を受けるかについても注目した。その結果、TGF-βの下流で作用するSmad系分子は活性化されていないのに対して、SAPK/JNKおよびc-JunなどJNK経路分子の活性が認められている。加えて、JNK阻害剤であるSP600125によりLOX誘導が阻害されたことより、MPN細胞によるHS-5細胞でのLOX誘導にはJNK経路を活性化する液性因子の関与が考えられた。さらに、MPN細胞をmetforminで処理しMPN細胞内の小胞体ストレスを抑制することにより、MPN細胞によるHS-5細胞でのLOX誘導が抑制さえれており、この現象においてもMPN細胞内での小胞体ストレス経路が関与していることが想定された。
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