研究課題/領域番号 |
18K08329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安倍 正博 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (80263812)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 多発性骨髄腫 / 骨髄微小環境 / 薬剤耐性 / 骨破壊 / TAK1 / PIM2 / 阻害薬 |
研究成果の概要 |
多発性骨髄腫は、骨に親和性を持ち、骨破壊病変を形成しつつ進展する、未だ治癒が期待出来ない難治腫瘍である。我々は、骨病変微小環境がもたらす腫瘍進展や治療抵抗性と骨破壊病変の形成を同時に媒介する枢軸的な因子として、PIM2およびその上流因子であるTAK1が骨髄腫細胞だけでなく破骨細胞や骨髄間質細胞に発現誘導されることを見出した。PIM阻害薬 SMI-16aおよびTAK1阻害薬LLZ1640-2は抗腫瘍活性を発揮するとともに骨破壊を防止し、腫瘍細胞の治療抵抗性と骨破壊病変形成の悪循環を遮断した。構造活性相関を基に新規TAK1-PIM2経路阻害薬を合成し、その物性・治療活性の最適化を行った。
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自由記述の分野 |
血液内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性骨髄腫の治療では、薬剤耐性の克服と骨喪失部に骨を再生させる治療薬の開発が喫緊の臨床課題として残されたままである。本研究で開発したTAK1阻害薬やPIM阻害薬は、骨破壊性病変部で骨吸収の抑制とともに骨形成の回復をもたらすため、新たなクラスの治療薬としての展望がある。さらに、骨髄腫の進展および生命予後と相関が判明したTAK1の活性化に着目し選出したTAK1依存性骨髄腫細胞由来分泌蛋白は、骨髄腫の難治性と予後を反映する血清バイオマーカーになる可能性がある。また、これらの分泌蛋白は病態を形成する責任因子の可能性もあり、今後貧血などの骨髄腫に伴う臓器障害形成の分子機序の解明にも資する。
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