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2019 年度 実施状況報告書

多発性骨髄腫進展のドライバー因子の同定と早期治療介入への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K08336
研究機関自治医科大学

研究代表者

黒田 芳明  自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00625840)

研究分担者 古川 雄祐  自治医科大学, 医学部, 教授 (00199431)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード多発性骨髄腫 / APOBEC3B / MGUS / 点突然変異
研究実績の概要

本研究の目的は、APOBEC3遺伝子がMGUSから多発性骨髄腫の進展および悪性化を促進するという仮説の検証、APOBEC3遺伝子の骨髄腫進展予測と治療介入のマーカーとしての応用、これを標的とする抗骨髄腫薬の開発である。以下に結果を要約する。骨髄腫細胞においてはAPOBEC3B(A3B)が特異的に強発現していたが、骨髄腫細胞株ではintron7が含まれた異常なmRNA(A3Bi7)が発現していることを見出し、A3BおよびA3Bi7を強発現するトランスジェニックマウスを作成し、骨髄腫発症確認のためのライン化を準備している。共同研究施設におけるMGUS/骨髄腫患者におけるA3B強発現とA3Bi7の特異的発現をreal-time RT-PCRにて定量化し確認している。また、A3Bi7と正常A3Bの機能の違いを明らかにするため、A3Bi7と野生型A3B cDNAを293細胞に導入し、C>T変異が入ると発光するプローブを用いてcytidine deaminase活性を測定する実験系を確立し、C>T変異を確認した。Empty vector導入細胞ではcytidine deaminase活性が21 +/- 0.08 RFU/mg proteinであったのに対し、A3B導入細胞では22.4 +/- 0.7、A3Bi7導入細胞では26.4 +/- 0.1で、統計的有意差を持ってA3Bi7で活性が高かった。さらにこれらの細胞を長期培養し、p53遺伝子をtarget sequencingしたところ、GC>AT点突然変異がempty vector導入細胞では11.1%、A3B導入細胞では0%、A3Bi7導入細胞では66.7%の頻度で認められた。以上の結果はA3Bi7の強発現が骨髄腫において遺伝子変異蓄積を促進している可能性を示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験系の確立と、トランスジェニックマウスの作成は成功したが、継代化に時間を要している。また、臨床検体の集積も予定より遅れがみられている。

今後の研究の推進方策

予定通り、骨髄腫細胞に発現しているA3Bi7と正常A3Bの機能の違いを明らかにしていく。引き続きトランスジェニックマウスのライン化・観察を行い、骨髄腫発症を確認する。患者検体のA3Bi7の発現解析を継続し、進展予後との関連を評価する。患者検体集積を増やすため、共同研究施設の追加を検討する。

次年度使用額が生じた理由

動物実験の進捗が遅れている分余剰金が生じた。来年度動物実験に早々に使用する。

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公開日: 2021-01-27  

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