脱ユビキチン化酵素USP10は、造血幹細胞(HSC)の維持に必須の分子である。HSCの維持には適切なDNA修復が必須である。そこで本研究ではUSP10のDNA修復における関与を検討した。USP10 KO細胞ではDNA二重鎖切断(DSB)の修復が遅延しており、これはDSB修復機構のうち相同組み換え修復(HR)が適切に行われないことに起因していることを見出した。USP10 KO細胞ではDNA-PKcsの活性が亢進しており、DNA-PKcs活性を抑制するとDSB修復は回復した。以上よりUSP10はDNA-PKcsの活性を制御することでHRによるDSB修復に寄与していることが明らかとなった。
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