研究課題
Toll様受容体(TLR)の調節遺伝子UNC-93ホモログB1(UNC93B1)が造血幹細胞移植関連遺伝子多型であることを明らかにした。ドナーUNC93B1C/ C遺伝子型は、ドナーUNC93B1 C/TまたはT/T遺伝子型よりも移植後生存率は有意に高かった。なお、UNC93B1遺伝子多型機能解析も行ったが、陰性所見であった。したがって、UNC93B1遺伝子の近傍か関連の遺伝子が機能的役割を果たしている可能性も否定できない。炎症調整に重要な役割を果たすNLR family pyrin domain-containing 3 (NLRP3)には遺伝子多型rs10754558遺伝子型多型(G>C)があり、私たちは以前、レシピエントかドナーがG/G型を有する場合、移植関連死亡が不良で生存率が悪いことを示した。健常人のリンパ球を用いてNLRP3 rs10754558の機能的役割を解析したところ、G/G型はそれ以外に比べNLRP3を高発現し、IL-1b産生能も高いとわかった。以上から、NLRP3 rs10754558が機能的役割を有し、炎症性障害の病因や調節にかかわること示唆された。さらに、ゲノム編集を用いた遺伝子多型の機能解析の準備として、CRISPR-Cas9システムを用いて、ヒト骨髄性白血病細胞株K562に単アレルのInternal tandem duplication (ITD) of FMS-like tyrosine kinase 3 (FLT3)を導入し、K562-FLT3細胞株を樹立した。ワイルドタイプに比べ、K562-FLT3細胞でCD52発現上昇がみられることをmRNAとタンパクレベルで確認した。さらに、FLT3導入後STAT5を介してCD52発現亢進がもたらされるとわかった。抗CD52抗体アレムツズマブが、K562-FLT3(ITD / WT)細胞特異的に抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘発することをマウスモデルで示した。以上から、CRISPR-Cas9システムを用いたゲノム編集技術により、白血病に対する新規治療標的が同定されえることがわかった。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 20件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件)
Annals of Hematology
巻: 101 ページ: 643~653
10.1007/s00277-021-04731-5
Molecules
巻: 27 ページ: 2322~2322
10.3390/molecules27072322
Photochemistry and Photobiology
巻: 1 ページ: 1-10
10.1111/php.13613
巻: 27 ページ: 774~774
10.3390/molecules27030774
Bone Marrow Transplantation
10.1038/s41409-022-01640-7
International Journal of Hematology
10.1007/s12185-022-03319-7
巻: 27 ページ: 2307~2307
10.3390/molecules27072307
International Journal of Molecular Sciences
巻: 22 ページ: 11845~11845
10.3390/ijms222111845
Cell Death Discovery
巻: 7 ページ: 1-10
10.1038/s41420-021-00446-8
巻: 22 ページ: 10761~10761
10.3390/ijms221910761
Frontiers in Pharmacology
巻: 12 ページ: 1-10
10.3389/fphar.2021.766402
Pathology
巻: 53 ページ: 595~601
10.1016/j.pathol.2020.10.019
Acta Haematologica
巻: 144 ページ: 345~349
10.1159/000510460
巻: 114 ページ: 373~380
10.1007/s12185-021-03166-y
International Journal of Laboratory Hematology
巻: 43 ページ: 948~958
10.1111/ijlh.13486
eJHaem
巻: 2 ページ: 729~737
10.1002/jha2.278
巻: 56 ページ: 232~242
10.1038/s41409-020-01011-0
Transplantation and Cellular Therapy
巻: 27 ページ: 314.e1~314.e10
10.1016/j.jtct.2020.12.013
巻: 27 ページ: 342.e1~342.e10
10.1016/j.jtct.2020.12.012
Genes & Immunity
巻: 22 ページ: 35~43
10.1038/s41435-021-00122-y