研究課題
基盤研究(C)
研究代表者が明らかにしてきた同種造血幹細胞移植関連下流非翻訳領域免疫調整遺伝子多型(NLRP3、ADMTS13、UNC93B1、HO-1)の機能的役割が示された。特にNLRP3遺伝子多型rs10754558 (G>C)は、G・Cアレルが各々NLRP3/IL-1b高・低誘導能に関連するとわかった。さらに、NLRP3 Gアレルを有する同種造血幹細胞移植患者は、自身のIL-1b高誘導能により移植関連合併症死亡が増えると示唆された。
血液内科学
同種造血幹細胞移植は白血病など血液難病の根治を期待して行われる。しかし、重症感染症や拒絶反応、再発のため、長期生存率は50%にとどまる。本研究において、下流非翻訳領域の機能性免疫調整遺伝子多型を制御することにより、同種造血幹細胞の成功率が飛躍的に高まる可能性が示された。さらに今回の研究成果は、同種造血幹細胞移植にとどまらず、疾患の発症や進展に免疫調整遺伝子多型が関与する固形がんや自己免疫疾患、重症感染症に対する新規標的治療法開発への波及効果も期待される。