本研究において、代表的な炎症性疾患の一つである川崎病における血管炎病変の形成にNETsが重要な役割を果たすことを、疾患モデルマウスや患者検体を用いた解析により明らかにした。本研究遂行時、COVID-19関連川崎病類似疾患(小児多系統炎症性症候群:MIS-C)が欧米を中心に報告され、MIS-Cと古典的川崎病との関係について、トピックスとなった。今回明らかにした所見から、MIS-Cと古典的川崎病は病態を共有しており、MIS-Cはその重症型である、という仮説を立て、報告した(Ann Rheum Dis, 2020)。他の研究者からも我々の仮説の妥当性が示され、MIS-Cの理解が進んだ。
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