本研究では、多発性骨髄腫(MM)と骨髄間質細胞間のセマフォリン3A(SEMA3A)とニューロピリン1(NRP1)の相互作用の薬剤耐性における意義を明らかにすることを目的とした。骨髄微小環境中のSEMA3Aは少なくとも一部は骨髄間質細胞から分泌され、オートクライン的に他のサイトカインとも連携しつつ、SEMA3A-NRP1経路を介して骨髄間質細胞の増殖を促進することを明らかにした。また、SEMA3AはAKT経路を介して骨髄間質細胞の骨芽細胞への分化を誘導・促進することでMMと骨髄間質細胞間の接着により誘導される薬剤耐性メカニズムを克服しうることを見出した。
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