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2020 年度 実績報告書

生体イメージングによる造血幹細胞ニッチの加齢変化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K08379
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

森川 隆之  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員 (80465012)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード造血幹細胞
研究実績の概要

造血幹前駆細胞 (HSPC) の抹消血から骨髄への移行における加齢の影響を検証するため、緑色蛍光蛋白発現マウス (GFPマウス) の骨髄からセルソーターで分取したHSPCを若齢マウスと高齢マウスに静脈内投与し、多光子レーザー顕微鏡を用いた頭蓋骨骨髄の生体イメージングによりGFP陽性細胞の血管壁接着から血管外遊走するまでの時間を比較した。その結果若齢マウスと比較して高齢マウスの骨髄では、血管内皮型一酸化窒素合成酵素欠損マウス (eNOSKOマウス) の骨髄同様、末梢血中HSPCの血管外遊走に要した時間が延長していた。この加齢マウスで延長が見られたHSPCの血管外移行に要した時間は、NOドナーであるニトロプルシド (SNP) の骨髄局所投与により若齢マウスと同レベルまで回復した。次いでNOがHSPCの末梢血から骨髄への移行に関わるかを骨髄全域で検証するためGFPマウスのHSPCをeNOSKOマウスに骨髄非破壊状態で移植した後、フローサイトメトリーにより骨髄中のGFP陽性細胞の数を野生型マウスと比較した。その結果eNOSKOマウスの骨髄では野生型マウスと比較して移植後16時間でのGFP陽性細胞の数が減少していた。さらに定常状態での抹消血中HSPCの骨髄への移行におけるNOの役割を検証するためeNOSKOマウスとGFPマウスのパラバイオシスを実施した。その結果、結合後2週間でのeNOSKOマウス骨髄中のGFP陽性HSPCはコントロール群の野生型マウスと比較して減少していた。次いで加齢マウスとGFPマウス、及び若齢マウスとGFPマウスのパラバイオシスを実施し、結合2週間後の骨髄中のGFP陽性細胞の数を加齢マウスと若齢マウスとで比較した。その結果、加齢マウスでは若齢マウスと比較して骨髄中のGFP陽性のHSPCの減少が見られた。これらの結果から骨髄でのNO産生能の減弱が加齢に伴うHSPCの抹消から骨髄への移行効率の低下の一因となっている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] p38α plays differential roles in hematopoietic stem cell activity dependent on aging contexts2021

    • 著者名/発表者名
      Sorimachi Yuriko、Karigane Daiki、Ootomo Yukako、Kobayashi Hiroshi、Morikawa Takayuki、Otsu Kinya、Kubota Yoshiaki、Okamoto Shinichiro、Goda Nobuhito、Takubo Keiyo
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 296 ページ: 100563~100563

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2021.100563

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Identification and local manipulation of bone marrow vasculature during intravital imaging2020

    • 著者名/発表者名
      Morikawa Takayuki、Tamaki Shinpei、Fujita Shinya、Suematsu Makoto、Takubo Keiyo
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-020-63533-3

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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