研究実績の概要 |
本研究では、sJIA患者におけるエキソソーム中miRNAの発現と機能解析により、新たなsJIAの疾患活動性マーカーの確立と病態解明を目的としている。 本研究の研究計画時におこなった予備実験では、160種類のmiRNAの解析であったが、DNAチップによる網羅的miRNAの解析を行うことで、約15倍の2565種類のmiRNAを検討可能となったため、再度sJIAの疾患活動性マーカーとなりうるmiRNAを探索した。具体的には、重症のsJIA患者の治療経過において、以下の4つの時点において、血清中のmiRNAの網羅的評価をおこなった。 ①初発時 CRPなどの疾患活動性マーカー高値、②ステロイド治療後の見かけ上寛解時 CRPなどの疾患活動性マーカー正常、③ステロイド減量後の再燃時 CRPなどの疾患活動性マーカー高値、④最終寛解時 CRP・フェリチンなどの疾患活動性マーカー正常 興味深いことに、症状を認め疾患活動性マーカー高値である①および③だけでなく、治療により改善を認めていた②の時点においても、④とは異なるmiRNAプロファイルが認められた。②と④の間では、hsa-miR-451a, hsa-miR-1290, hsa-miR-1246, hsa-miR-6131の4つのmiRが8倍以上の発現量の違いを認めており、一般的な疾患活動性マーカーでは反映されない病態に関わっていることが示唆された。これらのmiRは、重篤な症状を呈する他の疾患においても発現が亢進していることが、すでに報告されており、機能的意義があることが予想される。
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