研究実績の概要 |
本研究では、sJIA患者におけるエキソソーム中miRNAの発現と機能解析により、新たなsJIAの疾患活動性マーカーの確立と病態解明を目的としている。 平成30年度は、重症のsJIA患者の治療経過において、DNAチップにより2565種類のmiRNAの解析を行い、sJIAの疾患活動性マーカーとなりうるmiRNAを探索したところ、hsa-miR-451a, hsa-miR-1290, hsa-miR-1246, hsa-miR-6131の4つのmiRNAが、疾患活動性に関連して8倍以上の発現量の違いを認めており、一般的な疾患活動性マーカーでは反映されない病態に関わっていることが示唆された。 この結果をもとに、平成31年度は、2565種類のmiRNAの中で、活動期と非活動期に4倍以上の発現量の変動を認めた117種類のmiRを対象に、階層型クラスター解析を行ったところ、以下の3つのクラスターに分類された。 クラスター1:活動期・非活動期の双方で高発現であり、非活動期に発現が低下するmiRNA、クラスター2:活動期・非活動期の双方で中等度発現であり、非活動期に発現が低下するmiRNA、クラスター3:活動期に低発現であり、非活動期に発現が亢進するmiRNA それぞれのクラスターに含まれるmiRNAのターゲットとなる遺伝子のpathway解析を行ったところ、TGF-β pathway, EGF-EGFR pathway、IL-1 pathwayにそれぞれ含まれる分子の発現を制御するmiRNAが、クラスター2には多く含まれることが明らかとなった。
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