研究課題/領域番号 |
18K08387
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三枝 淳 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20514970)
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研究分担者 |
森信 暁雄 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (10294216)
河野 誠司 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (20351512)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / 代謝 / グルタミノリシス / ラパマイシン / 自己免疫疾患 / オートファジー |
研究実績の概要 |
グルタミン代謝阻害薬による関節炎抑制効果、さらには同阻害薬に薬効の異なる薬剤を併用した場合の併用効果について検討を行った。今年度は、グルタミン代謝阻害薬である6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンと、mTOR阻害薬であるラパマイシンに着目した。 まずin vitroの解析により、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンおよびラパマイシンは、それぞれ単独でCD4陽性T細胞の増殖を抑制することを明らかにした。さらに両者を併用すると、単剤の場合と比較して有意に強い増殖抑制効果を示すことを明らかにした。また、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンおよびラパマイシンは、Th17細胞分化を抑制することも発見した。 両薬剤の骨髄細胞への影響についても検討を行った。その結果、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンはラパマイシンよりも強く樹状細胞およびマクロファージへの分化を抑制し、骨髄由来抑制細胞(MDSC)への分化を促進した。一方、ラパマイシン投与によりMDSCはより強いT細胞抑制能を獲得した。 最後に、両薬剤のマウス関節炎抑制効果について検討した。その結果、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンとラパマイシンの併用により、相加的にマウス関節炎が抑制されることを証明した。その効果はリンパ球への影響が主体であったが、骨髄系細胞および滑膜細胞への影響も示唆された。。 以上、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンとラパマイシンの併用は、マウス関節炎を相加的に抑制することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンとラパマイシンの併用により、マウス関節炎が強く抑制されることを明らかにしたため。
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今後の研究の推進方策 |
さらに、代謝阻害薬と他剤の併用効果についての検討を続けてゆく。特に、グルタミン代謝阻害薬とオートファジー阻害薬の併用による関節炎抑制効果について解析を進める予定である。
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