研究課題
ITIH4(inter-alpha trypsine inhibitor heavy chain 4)とシトルリン化(cit)-ITIH4の炎症関節での発現、peptidylarginine deiminase(PAD)酵素との関連、および好中球の遊走への関与を検討した。1)ペプチドGPI誘導関節炎(pGIA)マウスにおいて、検討した組織および血漿において、cit-ITIH4の発現量は関節炎極期(day14)の関節において最多であった(p<0.01)。pGIAマウスのPAD4発現に関して、day14の関節においてPAD4mRNAの有意な増加を認めた(p<0.05)。また、その発現細胞の90.4%が好中球であった。2)pGIAに対するin vivoの好中球除去により関節炎が減弱し、血中および関節内のcit-ITIH4の有意な発現低下を認めた(p<0.05)。3)リコンビナントITIH4蛋白をコントロール蛋白(フィブリノーゲン)とともに作成し、PAD4でシトルリン化した。Cit-ITIH4の添加で、C5a濃度が有意に増加し、好中球の遊走が有意に増強した(p<0.05)。これらより、関節の好中球PAD4を介したITIH4のシトルリン化が推測された。またcit-ITIH4が補体活性化を介し、好中球を遊走させる新たな可能性が示唆された(Osada et al. Clin Exp Immunol 2021)。今後、ノックアウトマウスを用いたITIH4の機能解析を進める予定である。
すべて 2021 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Clin Exp Immunol
巻: 203 ページ: 385-399
10.1111/cei.13556
http://www.md.tsukuba.ac.jp/clinical-med/rheumatology/