アトピー素因を持つ気管支喘息に対しては、現在生物学的製剤の開発により、劇的な治療の発展が認められているが、非アトピー性気管支喘息に対しての治療は未だ十分だと言えない。OGR1は気道構成細胞である気道上皮細胞、気管支平滑筋細胞に特異的に発現していることから、本研究のように気道上皮細胞に傷害を起こすHDM点鼻による気管支喘息モデルや塩酸投与によるARDSモデルの解析はOGR1の役割についてより詳細に解析できる可能性がある。さらに非アトピー性気管支喘息やARDSで産生が増加するIL-6をOGR1欠損マウスで抑制することがわかったため、OGR1は気道炎症の鍵を握っている可能性が示唆された。
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