これまで行った転写因子RORa/REV-ERBaとヒストンアセチル化酵素CBP/p300を介したTNFa誘導性CCL2発現の検証により関節リウマチ滑膜細胞の遊走能の制御機構の一端を示すことができた。最終年度は時計遺伝子Bmal1が滑膜細胞の炎症性メディエーター産生に与える影響について検討した。 【方法】滑膜細胞をTNFa、IL1-b、IFN-gで刺激し、経時的にRNAを抽出した。その後、定量PCR法にてBmal1、MMP3、CCL2、IL6、IL7、IL15の発現量を測定した。また、RA滑膜細胞における時計遺伝子Bmal1の発現をRNA干渉により抑制し、TNFa、IL1-b、IFN-gで刺激した後、定量PCR法にてMMP3、CCL2、IL6、IL7、IL15の発現量を測定した。 【結果】各16~32h刺激することにより、滑膜細胞におけるBmal1、MMP3、CCL2、IL6、IL15の発現量が増加した。また、Bmal1発現抑制下では同条件においてMMP3、CCL2、IL6、IL7、IL15の発現量が有意に減少した。これらの結果は、滑膜細胞からの炎症性メディエーター産生は、Bmal1を介して制御される可能性を示唆するものであった。
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