リウマチ関節内の血球系細胞の相互作用や滑膜細胞からの炎症性メディエーター産生におけるBmal1遺伝子の役割は明らかではなかったが、本研究により、その一端が明らかになった。リウマチ発症によって経時的な発現が攪乱されたBmal1遺伝子を標的とした治療法が確立されれば、症状の日内変動に合わせた投薬時間の設定と薬理効果の最適化によって、感染症、肝・腎障害、血球減少症などの副次作用の回避と治療効果の最大化を達成できる可能性がある。また本研究はBmal1遺伝子や炎症性メディエーターを介したパラクライン機構の解明に留まらずリウマチ関節内環境の総合的な理解につながる可能性を有するものである。
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