研究課題
我々はこれまで関節リウマチモデルマウスにおける抗CTGF(Connective-tissue growth factor)抗体の有用性を報告している。CTGFは線維化マーカーのhallmarkであり、全身の線維化を主体とする全身性強皮症においてもCTGFの関与が近年報告されている。我々は, 免疫学的に強皮症の病態に近いと考えられるtopoisomerase1(以下topo1)を用いた強皮症モデルマウス及び、古典的な線維化モデルマウスであるブレオマイシン(以下BLM)誘導肺障害マウスを用いて当施設で所有する抗CTGF抗体の有用性を検討した。topo1誘導強皮症モデルマウスによる検討、BLM誘導肺障害モデルマウスでの検討を参考に、当施設で所有する抗CTGF抗体を投与し、肺病理による線維化、ヒドロキシプロリン定量、肺組織の炎症および線維化に関連する遺伝子の発現解析を行った。肺病理(masson-trichrome染色)や肺組織中のヒドロキシプロリン定量では、抗CTGF抗体投与による線維化の抑制を認める傾向がみられた。肺組織の遺伝子発現解析でも、SPP1、IL-6において、抗CTGF抗体投与による線維化の抑制を認める傾向ではあったが有意差はなかった。しかしながらn数も少ないため、再現性の確認をすべく現在も検討を行なっている。今後はin vitroにおいての抗CTGF抗体の効果についても検討する予定である。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)
Clin Exp Immunol.
巻: 13 ページ: 33-46
10.1093/cei/uxac012.