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2020 年度 実績報告書

痛風における動脈硬化促進の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K08418
研究機関帝京大学

研究代表者

河野 肇  帝京大学, 医学部, 教授 (60585074)

研究分担者 本田 善一郎  お茶の水女子大学, 保健管理センター, 教授 (70238814)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード動脈硬化 / 自然炎症 / AMPK / 尿酸 / mTOR / IL-1 / インフラマソーム
研究実績の概要

尿酸は動脈硬化の進展と関連していると考えられているがその直接的証拠には乏しい。細胞死によりdanger signalとしての尿酸が放出され、局所において尿酸結晶が形成され、これが免疫系に認識されてIL-1が産生される事が知られている。今回われわれは、生理的レベルの可溶性の尿酸が炎症を促進し、動脈硬化を発症させるかどうかを検討した。

NLRP3(NACHT, LRR, and PYD domain-containing protein 3)インフラマソームを介したヒト末梢血単核細胞からのIL-1βの分泌は、生理的レベルの血清尿酸によって促進された。この炎症の増強は、AMPK(AMP-activated protein kinase)-mTOR(mammalian target of rapamycin)ミトコンドリア活性酸素種およびHIF-1α(hypoxia-inducible factor-1α)経路の制御を介して行われた。ウリカーゼを導入したマウスとキサンチンオキシダーゼ阻害剤を投与したマウスでは、尿酸値の低下によりAMPKが活性化され、動脈硬化プラークの形成が抑制された。さらに、健常者にベンズブロマロンを2週間投与して尿酸値を低下させると、血漿中のIL-18(インフラマソーム依存性サイトカイン)が有意に減少した。

今回のデータは、動脈硬化のメカニズムに関与する炎症が、生体内の尿酸によって促進されることを示している。さらに、尿酸値の低下は、AMPK経路の活性化を介して炎症を減弱させることが明らかとなった。本研究は、動脈硬化症における尿酸低下療法の論理的根拠となるメカニズムを示すものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Soluble Uric Acid Promotes Atherosclerosis via AMPK (AMP-Activated Protein Kinase)-Mediated Inflammation2020

    • 著者名/発表者名
      Kimura Yoshitaka、Yanagida Tamiko、Onda Akiko、Tsukui Daisuke、Hosoyamada Makoto、Kono Hajime
    • 雑誌名

      Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology

      巻: 40 ページ: 570~582

    • DOI

      10.1161/ATVBAHA.119.313224

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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