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2018 年度 実施状況報告書

好酸球のM-CSF産生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K08421
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

松本 健治  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 部長 (60181765)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード好酸球 / サイトカイン / M-CSF / マクロファージ / 組織リモデリング
研究実績の概要

気管支喘息などのアレルギー疾患において、慢性の2型炎症に引き続いて起こる組織リモデリングに重要な役割を果たすM2a型マクロファージの分化に必須のサイトカインであるM-CSFを好酸球が産生することを見いだした。すなわち、ヒト末梢血(n = 11)から分離した好酸球はmembrane-bound isoformとsecretion isoformのM-CSFのmRNAを恒常的に発現しており、GM-CSFやIL-5、固相化したsecretory IgA(sIgA)の刺激によってmRNAの発現は有意に増強された。一方、platelet-activation factorやeotaxin 1の刺激ではmRNAの発現は変化しなかった。
好酸球刺激後の培養上清や細胞の破砕物のM-CSFをELISAで測定したところ、上清中にはsIgA刺激でM-CSFの産生放出が確認された。一方、IL-5やGM-CSF刺激では上清にはM-CSFの放出は認められず、細胞の破砕物中のM-CSF濃度が上昇した。
以上のことから、好酸球はM-CSFのmRNAやタンパクを恒常的に発現しており、IL-5やGM-CSF刺激では細胞表面へのmembrane-bound isoformの発現が強く誘導され、一方、sIgA刺激では、secretion isoformのM-CSFの上清中への放出が強く誘導される可能性が示唆された。
今後は、細胞内のM-CSFの局在について検討する予定である。
研究は当初の予定通り進捗している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画に沿って研究を実行しており、大きな障害無く、順調に成果が出ている。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画書に記載された手順に従い、M-CSFタンパクの細胞内局在について、好酸球の刺激前と刺激後に細胞膜に透過処理を施す前・後で、M-CSFに対する特異的な抗体を用いて染色して、蛍光顕微鏡下に局在を検討すると同時に、Flow cytometoryを用いて定量をおこなう。また、獨協医科大学呼吸器内科との共同研究に基づき、気管支喘息および対照疾患患者の気管支肺胞洗浄液の採取をはじめる。

次年度使用額が生じた理由

2018年度末から蛍光免疫染色を開始する予定で、試薬(モノクローナル抗体)を発注したが、海外社製品のため、年度内に到着しなかった。そのため、22,986円分を次年度に繰り越す事とした。

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公開日: 2019-12-27  

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