研究課題/領域番号 |
18K08429
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木村 幸司 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50425675)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Streptococcus mitis / Streptococcus oralis / β-ラクタム系薬 / ペニシリン結合タンパク / アミノ酸置換 / PBP / 耐性 / カルバペネム低感受性 |
研究実績の概要 |
緑色レンサ球菌群に含まれるStreptococcus mitis とStreptococcus oralis(S.mitis/oralis)は、ヒト口腔等から分離されることのある常在性の高い菌種ではあるが、抜歯などを契機に菌血症、心内膜炎を健常人に引き起こすことがある。また、日和見感染症の原因菌としても知られており、敗血症等を引き起こす。近年、β-ラクタム系薬の標的分子、ペニシリン結合タンパク(Penicillin-binding protein,PBP)のアミノ酸置換を獲得したペニシリン系薬耐性、セファロスポリン系薬耐性株の増加が世界的に問題になってきている。また、これらの株は、類縁菌種のStreptococcus pneumoniae(肺炎球菌)に変異PBP 遺伝子を引き渡し、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)が出現したと考えられており、S. mitis/oralis は、肺炎球菌の耐性遺伝子のリザーバーと考えられている。研究代表者は、これまでの研究を通じて、肺炎球菌において、カルバペネム耐性株は稀であることに気がついた。そこで、肺炎球菌の耐性遺伝子のリザーバーであるS. mitis/oralis の近年のカルバペネム系薬感受性を予備実験により検討したところ、臨床分離S. mitis/oralis の17.6%(25 株/142 株中)がカルバペネム低感受性であることを見出し、近年、S. mitis/oralis においてカルバペネム系薬の耐性化が進んでいることを見出した。本研究の目的は、カルバペネム低感受性S. mitis/oralis のカルバペネム低感受性をもたらす機構を明らかにすることである。すでに、カルバペネム低感受性S.mitis/oralis は、PBP 遺伝子にアミノ酸置換を伴う塩基置換を複数獲得していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大きな問題なく、それぞれの実験を順調に遂行しており、概ね当初の計画通りに順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り概ね順調に進展しているため、このままのペースで本研究を推進していけば、成果が上がることが予想されるため、このままのペースで研究を推進していく予定である。
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