研究課題
本研究は、A群連鎖球菌spy1588遺伝子の酸感受性機構と病原性発症機構の解明を目的としている。このSPY1588タンパク質の性質を知るために組換えタンパク質を発現させ精製を実施してきた。このタンパク質の機能を知るために結晶化を行い構造解析を試みてきた。このタンパク質の部分構造を組換え体として発現、精製しているが精製最終段階になると凝集を繰り返したり、収量が悪かったりと難航を極めたタンパク質であった。その理由が今回判明したので、その対応を行い解決させた。SPY1588タンパク質をHis Tag以外に可溶性タンパク質として発現させるためにTtxAタンパク質を融合させたが、このタンパク質の性質から、SPY1588タンパク質との融合タンパク質は塩溶性が増し、イオン交換クロマトグラフィーなどで高塩濃度で分離すると、その塩濃度に依存してしまうことが明らかとなった。通常はこの高塩濃度を低塩濃度にするために透析を実施するが、SPY1588融合タンパク質を高塩濃度から透析を行うと一気に凝集が起こった。塩溶性のために脱塩すると凝集してしまう。その為に、水を加えてクーロン力を低下させたのちに限外濾過で濃縮脱塩を繰り返すと、精製が可能になった。このことで目的タンパク質の精製が可能となった。一方、SPY1588は膜タンパク質であり、大腸菌膜上で発現精製も実施した。この精製タンパク質の自己リン酸化や部分アミノ酸置換により、酸感受性部位とリン酸化ドメインのアミノ酸部位を見出した。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件)
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