研究課題
基盤研究(C)
造血幹細胞移植後患者の血液を用いて様々なサイトカインの測定を行い、ヒトヘルペスウィルスの1つであるヒトヘルペスウィルス6の再活性化直前にST2(Stimulation 2)とLYVE-1(Lymphocyte vessel endothelial receptor 1)が有意に上昇することを明らかにした。また、低ウィルス量での再活性化症例は、再活性化しなかった症例に比べて生存率が高いことが明らかとなった。
造血幹細胞移植
造血幹細胞移植後のヘルペスウィルス再活性化は、時に致死的なウィルス感染症を引き起こす一方で、抗腫瘍効果があることが知られている。本研究により同定されたサイトカインは、ウィルス再活性化による抗腫瘍効果の機序解明の糸口となり得る。またこれまでの医療は、移植後ウィルス再活性化を抑制することに主眼が置かれていたが、むしろ適度なウィルス再活性化が造血幹細胞移植後の予後を改善しうるという本研究結果は、ウィルス再活性化コントロールの異なるあり方を示した。