| 研究課題/領域番号 |
18K08461
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| 研究機関 | 独立行政法人国立病院機構東京病院(臨床研究部) |
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研究代表者 |
永井 英明 独立行政法人国立病院機構東京病院(臨床研究部), 呼吸器内科, 感染症科部長 (30510391)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 結核 / サイトカイン / QFT |
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| 研究実績の概要 |
背景と目的：新世代のQuantiFERON(QFT)-Plusは、これまでのQFT-GITと異なる結核抗原を含み、免疫低下状態や高齢結核の診断能にも優れる可能性が指摘されている。特にQFT-PlusのTB2抗原には、新たにCD8陽性T細胞を刺激する抗原が加えられ、有用性が期待されている。そこで、本研究は当院でQFT-GIT、QFT-Plus、T-SPOT.TBと臨床データを収集し、QFT-Plusの結核診断に対する有用性を検証する。
方法： ①当院通院中の活動性結核８３症例、健常人７０人のQFT-GIT、QFT-Plusを収集し、上清中のサイトカイン値をMagpix systemで測定した。②当院通院中の活動性結核７６症例、LTBI（潜在性結核感染）１４症例、陳旧性肺結核３５症例、健常人４０人のQFT-GIT、QFT-Plus、T-SPOTを収集し、上清中のサイトカイン値をMagpix systemで測定した。
結果：① IL-2、IL-6、IL-8、IP-10、MIP-1βの値は、QFT-PlusのTB1、TB2抗原と比較してQFT-GITの抗原刺激で有意に高値であった。QFT-PlusのTB1、TB2チューブで比較すると、TB2でPDGF-BBが高く、TB1で IL-6、TNF-αが高値であった。活動性結核の診断には、IFN-γと比較しIP-10値の方がROC曲線におけるAUC値が高く、有用であった。活動性結核患者では、IFN-γ、IL-1RA、IL-2、IP-10、MCP-1、MIP-1βの値が有意に高値であった。 ②QFT-Plus、QFT-GIT共にIFN-γ 値は同等で、活動性結核で有意に高い値を示した。３種類のIGRAの感度は同等であり90％程度と高い値を示した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の結果に引き続き、今年度はQFT-plusとQFT-3Gの活動性結核診断における有用性を比較し、同等性を確認できた。症例を順調に登録できたため、当初の計画より早く解析結果を得ることができ、得られた成果は1つが英文誌に採択され、1つは投稿中である。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度は対象者の登録を終了し、収集した血液検体中のサイトカイン値の測定と解析、および基礎実験を開始した。今後はHIV患者におけるサイトカイン値の解析、活動性結核とLTBIの鑑別能の解析を行い、公表する予定としている。さらに基礎実験を進め、今回有用性が確認されたサイトカインの生体内における役割を明らかにする予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
症例の登録は順調に進んだが、サイトカインの測定がまだ追いついておらず、サイトカイン測定費用として計上していた費用が未使用となっている。来年度順次サイトカインを測定する予定としているため、使用する目処がたっている。また、基礎検討がまだ残されており、基礎検討についても未使用分の資金を充てて遂行する予定としている。
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