インスリンによるH2O2産生亢進メカニズムを明らかにすることは,脂肪細胞および骨格筋におけるインスリン抵抗性の発現メカニズム,を始めとする様々な生活習慣病の病態を解明する上で非常に重要であると考えられる。本研究においては,インスリンによるH2O2産生亢進メカニズムに関して,Nox4活性の調節およびNADPH産生の調節という2つの面から検討した。結果として,ERに局在するNox4がインスリンによる翻訳後修飾を介してカベオリンと結合して細胞膜に近接すること,またインスリンがNADPH産生を亢進することを明らかにした。これら2つのメカニズムの関連性に関しては,今後さらに検討を加える必要がある。
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