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2019 年度 実施状況報告書

AKAP13を用いた骨代謝調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K08465
研究機関千葉大学

研究代表者

小出 尚史  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30507223)

研究分担者 田中 知明  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50447299)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード骨形成 / 骨芽細胞 / 骨粗鬆症
研究実績の概要

AKAP13ヘテロノックアウトマウスでは、骨粗鬆症様の変化を認め、骨形成は低下、骨芽細胞数は低下していた。一方で破骨細胞数には有意差は認めず、骨吸収へは大きな影響を及ぼしていなかった。従って、AKAP13は骨形成に関与するものと考えられ、また大腿骨のmRNA解析ではヘテロマウスでRUNX2の低下が認められ、骨形成の極早期の段階での関与が示唆されている。
AKAP13骨特異的コンディショナルノックアウト(cKO)マウスを用いた検討では、コントロールと比べて海綿骨の粗造化を認めた。AKAP13 cKOマウスから抽出したBMSCは分化させるとコントロールと比較して、Alizarin red染色の低下を認め、石灰化能の低下を認めこのことからも骨分化の初期の段階のみならずcollagen type1a1が誘導された後も骨形成に寄与する可能性が考えられた。
In vitroの検討では、前骨芽細胞にマウスおよびヒトAKAP13、PKAドメイン欠損、GEFドメイン欠損のそれそれの発現ベクターを投入したところ、AKAP13の高発現においてALP mRNAの上昇を認め、PKAドメイン(-)で低下、GEF(-)では上昇を認めなかった。同時に、RhoA活性を検討したところ、同様にAKAP13高発現細胞においてRhoA活性は上昇し、GEF(-)ベクターでは上昇を認めなかった。さらに、AKAP13ノックダウンによりRhoA活性は低下し、Rho inhibitorを入れることでさらに低下を認めた。一連の結果から、AKAP13のGEF作用によるRho活性化が骨形成に関与している可能性が示唆された。蛍光免疫染色によるActin形成能の変化も同様の傾向であり、既報からアクチン形成とβカテニンの核内移行との関連性が示唆されているため、検討を行っている。
また、前骨芽細胞を用いたAKAP13ノックダウンの検討では、Lef1の低下を認めており、いくつかの経路を介してWntシグナルによる骨形成へ影響を及ぼしている可能性が示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験結果をもとに、解析の方向性が若干変化しているもののおおむね順調である。

今後の研究の推進方策

cKOマウスから抽出したCalvarial osteoblastのmRNA解析および、Wnt添加実験を行っている。この検討から、各種シグナルを統合するドッキングプラットフォーム、scaffoldタンパクおよびGEFであるAKAP13を介したWntシグナルとの関連をさらに解析する。並行して、効率の良いノックダウンの系の確立から(エレクトロポレーション)、RNAシークエンスを用いて遺伝子発現解析を行い、AKAP13を用いた新たな骨形成メカニズム解明を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] AKAP13の骨代謝調節機構の解明2019

    • 著者名/発表者名
      石田 晶子
    • 学会等名
      第37回日本骨代謝学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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