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2018 年度 実施状況報告書

オートファジ―を制御するmicroRNAを用いたポンペ病骨格筋の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 18K08472
研究機関浜松医科大学

研究代表者

福田 冬季子  浜松医科大学, 医学部, 准教授 (10458268)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードポンペ病 / miRNA / バイオマーカー
研究実績の概要

Pompe病の骨格筋ではライソゾーム内のacid alpha glucosidaseが欠損することにより、autophagyの機能障害が引き起こされることをこれまでの研究で示した。autophagyの機能障害により、autophagyに関連する小胞や本来autophagyによって分解される物質が罹患組織内に蓄積し、Pompe病の進行や治療効果を左右する病態を形成している。本研究ではPompe病の“異常なautophagy”病態に関与していると考えられるmicroRNAのPompe病骨格筋における役割を明らかにし、microRNAを用いた治療を臨床応用へ展開するための研究基盤を確立することを目的としている。
ヒトPompe病骨格筋のmicroRNA発現解析では、autophagyを調整する主要な遺伝子であり、Pompe病骨格筋では過剰発現しているBECN1 を標的とするmiR-30a の発現が低下している可能性が示唆された。また、autophagyとexocytosisを調整する遺伝子であり、Pompe病では過剰発現し、Pompe病の病態を左右する重要な因子である転写因子TFEBを標的とするmiR-128の発現が低下している可能性が示唆された。
Pompe病モデルマウス[Gaa(-/-)]骨格筋におけるmicroRNAの発現解析(網羅的な解析およびリアルタイムPCR)を行い、次に、モデルマウス骨格筋を用い、Pompe病骨格筋で発現の変動が見られたmicroRNA (miR-30aとmiR-128を中心に) のin vitroとin vivoの機能調節実験、標的遺伝子発現解析を実施する計画であり、2018年度は、モデルマウス実験の準備を行った。さらに、ヒト疾患iPS細胞由来の培養筋管細胞を用い解析を行う予定であり、標的遺伝子発現や免疫組織などの発現解析、治療への影響を解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

モデル動物の受け入れ準備に時間を要した。

今後の研究の推進方策

研究協力者と協力し、研究を遂行する予定である。
Pompe病モデルマウス[Gaa(-/-)]骨格筋(特にautophagyの亢進が顕著はII型筋線維)におけるmicroRNAの発現解析(マイクロアレイによる網羅的な解析およびリアルタイムPCR)においては、これまでも共通する方法を用いた研究を行った経験があるため、過去の経験と同様に研究を推進する。モデルマウス骨格筋のmicroRNAのin vitroとin vivoの機能調節実験、標的遺伝子発現解析に関しては、microRNAの過剰発現と機能阻害の効率の確立に、困難が予想されるため、大学内外のネットワークを活用し、解決を図る予定である。ヒト疾患iPS細胞由来の培養筋管細胞を用いた系を用いた解析に関しても、同様であり、大学内外のネットワークを活用し、解決を図る予定である。

次年度使用額が生じた理由

2018年度はモデル動物の受け入れ準備に時間を要したため、2019年度に実験計画が持ち越しとなった。
2019年度には、実験動物、microRNA解析((マイクロアレイおよびリアルタイムPCR)、microRNAの標的遺伝子発現解析のための試薬、microRNA分離試薬、細胞培養のための消耗品、microRNAの機能阻害、およびmimic-miRNA導入、導入効率確認のための試薬、ウイルスベクター、組織化学による病態解析のため、LAMP,RAB,LC3などの免疫組織化学に用いる抗体などの試薬購入に研究費用を用いる計画である。

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公開日: 2019-12-27  

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