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2020 年度 実績報告書

インスリンとインクレチンの同時分泌メカニズムの解明と創薬応用への意義

研究課題

研究課題/領域番号 18K08474
研究機関京都大学

研究代表者

原島 伸一  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (80444793)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードSKIP / インスリン / インクレチン / 脂質代謝
研究実績の概要

われわれは、スフィンゴシンキナーゼ1-インターアクティングタンパク質(SKIP)が膵臓ベータ細胞に発現しており、SKIPを欠損させるとグルコース刺激によるインスリン分泌が促進されることを明らかにした。また、SKIPは腸管のK細胞およびL細胞にも発現しており、SKIP欠損マウス(SKIP-/-)では、胃抑制ポリペプチド(GIP)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)およびインスリンの分泌が野生型マウスに比べて有意に増加し、血糖値が低下することを証明した。さらに、SKIP-/-マウスでは、血清トリグリセリド(TG)レベル、LDLコレステロールレベルが低下し、脂肪組織、肝臓、腸における炎症性サイトカインのmRNAレベルが有意に低下していた。SKIP-/-マウスでは、GIPを遺伝子レベルで欠損させることにより、SKIP-/-マウスで認められた脂肪細胞の増加やベーサルレベルの炎症の抑制などの表現型の特徴が失われた。SKIP-/-マウスの耐糖能と脂質プロファイルの改善は、GLP-1受容体拮抗薬であるエキセンジン-(9-39)の投与によってキャンセルされた。以上から、SKIPを欠損させると、インスリンやインクレチンの分泌が促進されて耐糖能が改善され、脂質代謝が改善され、ベーサルの炎症レベルが低下することがわかった。このように、スフィンゴシンキナーゼ1-interacting proteinはインスリンとインクレチン分泌の二重の制御因子であり、SKIPの作用を阻害することは、代謝機能障害を伴う2型糖尿病の治療のための新たな選択肢となる可能性がある。今後、小分子による薬剤候補を選択し、新たな研究を進めていきたいと考えている。

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公開日: 2021-12-27  

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