肥満・糖尿病におけるマクロファージ鉄の役割をLysMFth欠損(KO)マウスで検討した。KOマウスではマクロファージ鉄量が野生型(WT)マウスの約半分であった。高脂肪飼料(HFD)を与えて肥満糖尿病を誘導し、通常飼料群と比較した。HFDを与えたWTマウスは、肥満(体重増加・脂肪肥大)ならび耐糖能異常を呈したがKOマウスでその程度は軽度であった。肥大脂肪組織における炎症関連遺伝子発現と炎症細胞浸潤の増加も抑制されていた。またKOマウスでは体温、エネルギー消費量、熱産生遺伝子発現が上昇していた。マクロファージ鉄は脂肪組織炎症とエネルギー代謝制御を介して肥満糖尿病の進展に関与することが示唆された。
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