研究課題/領域番号 |
18K08484
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
富樫 優 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (10710444)
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研究分担者 |
寺内 康夫 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40359609)
白川 純 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70625532)
奥山 朋子 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (90806928)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | サルコペニア / 骨格筋 / インスリン抵抗性 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
我々は、インスリン受容体・IGF-1受容体遮断薬であるOSI-906をマウスに経口投与することで、急速に全身のインスリン抵抗性が惹起されるモデルを確立した(Endocrinology. 155(6):2102-1120, 2014)。OSI-906をマウスに7日間投与すると、高血糖および著明な高インスリン血症に伴い、一過性の膵β 細胞増殖の促進、脂肪萎縮、肝の脂肪化を呈した。骨格筋については、四頭筋(QUAD)、前脛骨筋(TA)、長趾伸筋(EDL)、ヒラメ筋(SOL)の筋肉量が、マイクロCTによる容積および重量においてすべて有意に低下し、サルコペニアを呈した。また、OSI-906投与後の骨格筋に脂肪滴が蓄積しており、OSI-906投与により、骨格筋萎縮に加えて、骨格筋の脂肪変性が生じていると考えられた。我々はさらに、インスリン受容体・IGF-1受容体のシグナルを完全かつ長期間遮断するため、OSI-906の投与間隔を短縮し、投与期間を14.5日間に延長したモデルを作成した。このモデルにおいて、24時間を通して明らかな高血糖状態が維持されたことから、インスリン受容体・IGF-1受容体の遮断がより持続した状態が得られたものと考えた。14.5日間投与終了後の両群の体重に有意差は認めなかったが、マイクロCTにおける下肢骨格筋の容量は20%低下し、四頭筋(QUAD)、前脛骨筋(TA)、長趾伸筋(EDL)、ヒラメ筋(SOL)、腓腹筋(GS)の重量の低下が認められた。現在、四頭筋(QUAD)、前脛骨筋(TA)、長趾伸筋(EDL)、ヒラメ筋(SOL)、腓腹筋(GS)に分けた組織学的変化、遺伝子および蛋白発現変化について解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OSI-906の投与間隔を短縮し、投与期間を14.5日間に延長したモデルにおいてより顕著な変化を誘導できており、骨格筋のより詳細な解析を施行中で、間もなく結果が得られる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
究計画の推進にあたり大きな課題はないため、引き続き計画に基づき進めていく。
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