研究実績の概要 |
糖尿病を発症するマウス(NSY)の糖尿病感受性遺伝子を有する染色体を、非糖尿病マウス(C3H)へ導入した系統であるコンソミックマウス/コンジェニックマウスの作製により、糖尿病および糖尿病関連形質の疾患感受性領域を特定の染色体/領域に絞り込んできた(Babaya N et al., Int J Endocrinol 2018、Babaya N et al., BMC Genet 2014、Babaya N et al., J Diabetes Res 2013、Babaya N et al., Diabetologia 2010、Babaya N et al., Biochem Biophys Res Commun 2005)。今年度は、11番染色体コンジェニック・コンソミック系統の表現型解析を行った。コンソミック系統と4つのコンジェニック系統を作成し、高血糖感受性遺伝子座、インスリン分泌不全遺伝子座、脂肪蓄積遺伝子座を同定した(Kobayashi M, Babaya N et al.,投稿中)。また、ストレプトゾトシン感受性に関しての遺伝子同定をおこなった。(宮坂、馬場谷ら,第34回日本糖尿病・肥満動物学会年次学術集会)。 ヒトにおいては2型糖尿病患者の表現型パネル作成を行っているが、その過程で特異な表現型をもつ個人を1例同定し、遺伝子解析を行い報告した(馬場谷ら,第92回日本内分泌学会学術集会)。これまで実験動物においてのみ証明されているIRS2遺伝子の糖尿病に対する影響が、ヒトにおいても関与している可能性を示し、治療法につき提言した。また、ヒト糖尿病における新たな臨床ツールflash glucose monitoringにつき詳細な検討を行った(Babaya N et al., J Diabetes Investig 2020)。
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