研究課題
加齢に伴う脂肪組織の機能変容に及ぼす細胞間相互作用の分子機構の解明を目的として,本年度,以下の検討を行った。1)加齢に伴う脂肪組織の機能変容に及ぼす細胞・分子の同定基盤となるデータを取得するため、10週齢および1年齢の野生型マウスの内臓脂肪組織、皮下脂肪組織よりPDGFRα陽性細胞(脂肪前駆細胞)、F4/80陽性細胞(マクロファージ)を採取した。また、同様にCol1a2-EGFP Tgマウス(I型コラーゲン遺伝子(Col1a2)プロモーターにGFPを連結したレポーターマウス)の脂肪組織よりGFP陽性細胞を採取した。2年齢の野生型マウス、Col1a2-EGFP Tgマウスから同様の細胞を採取が終了し次第、マイクロアレイ解析を行い、部位、加齢による遺伝子プロファイルの相違を検討する。2)脂肪組織リモデリングに着目した介入方法の開発Col1a1-Cre[ERT2]マウス(コラーゲン発現細胞の系譜追跡)、PDGFRα-Cre[ERT2]マウス(PDGFRα発現細胞の系譜追跡)、CX3CR1-Cre[ERT2]マウス(CX3CR1発現細胞の系譜追跡)、iDTRマウス(Cre依存性にジフテリアトキシン受容体を発現)、tdTomatoマウス(Cre依存性にtdTomatoを発現)を用いて、様々な系統のマウスを作出した。各マウスにおいて、薬剤投与量や投与時期の最適条件の設定を試みたが、少なくとも、PDGFRα-Cre[ERT2]系統のマウスについて、Tamoxifen依存的にPDGFRα特異的な効果が出ているか否か判断できていないが、CX3CR1-Cre[ERT2]マウスはTamoxifen依存的にCreが機能することを確認した。また、カロリー制限実験には既に着手し、計画の前倒しができている部分もある。
2: おおむね順調に進展している
各種マウスの条件設定に時間がかかっているが,その他は概ね順調に進んでいる
今年度作成したマウスを用いて加齢変化を検討する
(理由)各種サンプル採取が予定より遅くなり,マイクロアレイ解析が次年度になったため,次年度使用額が生じた。(使用計画)マイクロアレイ解析に,当該年度に生じた次年度使用額を充てる予定である。
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Advanced Functional Materials
巻: - ページ: 1807369~1807369
10.1002/adfm.201807369