研究課題
1)下垂体機能低下症の診断マーカーおよび治療ターゲットの同定:下垂体機能低下症の患者(ACTH単独欠損症(46例)およびICI関連下垂体炎症例(20例))の血清を用いた免疫染色でラット下垂体のACTH産生細胞を特異的に認識する自己抗体の存在を複数症例において確認した。抗原となる蛋白の候補を絞り込み、その抗原がACTH産生細胞に発現するPOMCであることを同定し、ウエスタンブロッティングおよび免疫染色で確認を行った。2)疾患発症メカニズムの解析:抗PIT-1抗体症候群(抗PIT-1下垂体炎)患者の胸腺腫瘍を伴う患者と正常者を比較し、さらに胸腺腫を伴わない悪性腫瘍に伴って発症したと考えられる抗PIT-1下垂体炎2例に関して検討し本疾患が腫瘍随伴症候群としての側面を持つことを世界で初めて報告した。3)細胞障害性T細胞の機能解析:既に稼働している疾患特異的iPS細胞の作製法を利用して、実際に細胞障害性T細胞(CTL)が関与しているかをin vitro自己免疫疾患モデル作成し検討した。作成した患者iPS細胞由来下垂体と分離したPIT-1反応性CTLクローンの共培養系において、CTLの特異的活性化、PIT-1陽性細胞周囲へのCTLの局在、およびPIT-1陽性細胞のアポトーシスを確認した。これらの結果から、抗PIT-1下垂体炎では、CTLが細胞傷害の原因であることが強く示唆された。本研究において、特異的CTLクローンの樹立を行い患者iPS細胞由来下垂体と共培養することにより、世界初のin vitro自己免疫疾患モデル作成に成功し報告した。
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