オキシトシンは下垂体後葉ホルモンであり、その末梢投与は膵島インスリン分泌を促進することが報告されている。本研究では、オキシトシンの生理的インスリン分泌調節作用を明らかにすることを目的とした。 オキシトシンは、刺激濃度グルコース(8.3mM)存在下でβ細胞[Ca2+]iを濃度依存的に増大させ、膵島インスリン分泌を促進した。オキシトシンはβ細胞に直接作用し、TRPチャネルの活性化と細胞膜の脱分極を促し、主に細胞外からのカルシウムイオン流入によりグルコース誘発インスリン分泌を増強すると考えられる。β細胞オキシトシンシグナルは2型糖尿病治療薬の新規ターゲットとなることが期待される。
|