研究課題/領域番号 |
18K08532
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
野見山 崇 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学市川病院, 教授 (10532559)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | GLP-1受容体作動薬 / 癌 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
GLP-1受容体作動薬は近年臨床応用された糖尿病治療薬で、ブドウ糖応答性にインスリン分泌を促進する薬剤であるが、血管保護作用や腎保護作用を有すること で注目されている。昨年度重岡徹らは、前立腺癌におけるGLP-1受容体発現が前立腺癌の悪性度予知因子となり、遺伝子治療にも応用できる可能性を示唆する研究結果を報告した。今年度、田中由貴らはGLP-1受容体作動薬とインスリン抵抗性改善薬の併用が、相乗効果をもって乳癌増大抑制作用を惹起することを見出し報告、論文化に至った。乳癌細胞においてGLP-1受容体作動薬はNF-kBの活性化を抑制し、メトホルミンはAMPKを活性化することで、Bcl-2の発現を抑制し、乳癌増大を抑制していることが分かった。 GLP-1受容体作動薬とメトホルミンは臨床的に併用されやすい糖尿病治療薬であり、この組み合わせの抗癌作用は注目に値する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2本の論文化がなされた。
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今後の研究の推進方策 |
今回はGLP-1とメトホルミンについてのがん抑制作用を研究したが、過去の報告でSGLT2阻害薬にもがん抑制作用が期待できることを我々は見出している。これら3剤の糖尿病治療薬は、米国糖尿病学会の治療指針において慢性腎臓病や動脈硬化性疾患の予防に効果がある可能性が示唆され、早期の使用が推奨されている薬剤でもある。今後これら薬剤のがん抑制作用を示唆する研究結果を広く世間に公表するとともに、臨床研究に発展させたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で学会が行われなかったため。
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