研究課題
ステロイドパルス療法は、臓器移植における拒絶治療をはじめその免疫効果から経験的に使用されてきたが、免疫機構に対しての明らかなエビデンスは不明な点が多い。また、その効果にも個体差があり、臓器移植後のステロイド抵抗性拒絶反応は、拒絶反応全体の20~40%を占める。制御性T細胞(Treg)のマスター遺伝子であるFOXP3の遺伝子多型が肝臓移植においてステロイド感受性/抵抗性のバイオマーカーになることを確認した。FOXP3-SNPによって、末梢血中のTre存在比率が異なるか解析したが、SNPによる違いは認めなかった。健常人ボランティアによるCD3/CD28刺激下T応答性およびステロイド添加によるTreg出現率を比較したが、SNPによる優位性は見られなかった。腎臓移植症例について、拒絶反応との関連を解析した結果、細胞性拒絶反応との関連性を見出せなかったが、肝臓、腎臓ともにFOXP3-SNP(rs3761548)(3279 A/C)において、A carrierに術後抗ドナー抗体(DSA)出現が高い可能性を得た。
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