研究成果の概要 |
βアレスチン1/2はG蛋白共役受容体(GPCR)に結合し、脱感作を起こすと考えられていたが、近年βアレスチン自身が固有のシグナル伝達を担い、PI3K,AKT,ERKシグナルの活性化を起こすことが示された。本研究では、βアレスチンを特異的に刺激する実験系確立を目指しβアレスチン1/2の臨床的意義を検討した。βアレスチン1/2を特異的に活性化できる細胞株は効果的に確立できていない。一方、複数の大腸癌コホートを用いてβアレスチン1/2発現とドライバー変異との関連や臨床的意義を明らかにした。特にKRAS変異型大腸癌やCMS3大腸癌ではβアレスチン2の発現が有意に低下しているという新規の知見を得た。
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