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2019 年度 実施状況報告書

肝門部胆管癌におけるクリニカルシークエンスパネルを用いたゲノム解析とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K08552
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

阿部 雄太  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70327526)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード次世代シークエンサー / 遺伝子変異 / Precision medicine
研究実績の概要

2013年から2018年までに肝門部胆管癌に対して根治手術を受けた101例の患者の切除検体パラフィン固定切片からgenetic DNAを抽出し、スライドからDNAを抽出後、 対象とする遺伝子のみを補足して濃縮し、次世代シークエンサー(NGS)を用いて遺伝子配列を調べ、約400種類の遺伝子における遺伝子変異(一塩基変 異、挿入・欠失、融合遺伝子、コピー数増減)、 マイクロサテライト不安定性などを同定を試みた。まず当初の予定に比べて安定したDNAを抽出できる確率が低いと判明、結果37例に対してDNA抽出が確認された。抽出には検体固定における様々な条件(固定年数、適切なホルマリン濃度、固定時間)が影響していると考えられ、抽出が可能であった多くは2017年以降の切除検体であった。これらと2019年当院で肝門部胆管癌手術を施行した23名の検体よりDNAを抽出し得た13名の合計50症例を検討対象とした。 これらには一部施行中であるがいずれもgenetic DNAを抽出し、対象とする遺伝子のみを補足し濃縮し、次世代シークエンサー(NGS)を用いて遺伝子配列を調べ、前出の約400種類の遺伝子における遺伝子変異を同定した。データは、バイオインフォマティックスのプロセスにて加工され、GENEKEEPERいうデータベースソフトを用いて、必要な遺伝子異常のレポートを出力した。現在変異の有無により病勢、病理学的因子についての統合解析を行っている。特にクラスタリング解析を行い、臨床経過、病理学的な因子の関連についても詳細に検討する予定としている。また同時に2019年1月より当院で開始した次世代統合病理・遺伝子診断システムの臨床研究「PleSSision-Rapid」でも同一検体の網羅的遺伝子解析を同時並行で進めており、このデータも統合して解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

切除検体パラフィン固定切片からのgenetic DNAを抽出率が予想よりも明らかに低く難渋した。手技的な問題を解決しても改善しなく、また固定時間が短いほど抽出率が高いことがわかり2017年以降の検体および2018年本研究開始以降は切除検体より直接採取した検体を用いることで解決させた。2019年の検体からのDNAを抽出率は56%と良好である。

今後の研究の推進方策

現在変異の有無により病勢、病理学的因子についての統合解析を行っている。特にクラスタリング解析を行い、臨床経過、病理学的な因子の関連についても詳細に検討する予定としている。また同時に2019年1月より当院で開始した次世代統合病理・遺伝子診断システムの臨床研究「PleSSision-Rapid」でも同一検体の網羅的遺伝子解析を同時並行で進めており、このデータも統合して解析を進めている。

次年度使用額が生じた理由

実験の進捗遅延等の要因で次年度使用額が発生。次年度使用助成金は翌年度分と併
せ、進捗が遅れている分の試薬の購入などに当てる予定。

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公開日: 2021-01-27  

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