研究課題
研究のうち、Wilms腫瘍の手術リスクに関連する画像因子の解析に関しては、すでに解析を終了した。4 施設で治療した症例のうち,限局性(病期Ⅰ~Ⅲ)の腎芽腫29 例に関して術前のCT 所見を詳細に検討し,手術リスクと関連する因子に関して検討した。手術困難と判断され術前化学療法が施行された3 例と,術中に腫瘍のspillage が認められた4 例の計7 例を,手術リスクありとしてほかの症例と比較検討するとともに,術中出血量や手術時間との関連も検討した結果,①腫瘍径は手術時間,出血量と有意に相関した。② 正中を越えて対側に進展する例は,手術高リスク例が多く,手術時間,出血量が有意に増加していた。③ 腹部大動脈または下大静脈を圧迫する例は,手術高リスク例が多く,また手術時間,出血量が有意に増加していた。これらの成果の一部を日本小児血液がん学会にて発表し、日本語雑誌にも掲載した(小児外科 Vol. 51 No. 5,2019)。Wilms腫瘍患者の血清中の核酸(miRNA)による血清診断に関しては、協力施設での倫理審査が終了したが、コロナの影響もあり症例が3例しか集まらなかった。この3例に関しては2021年8月に、協力施設である大阪大学と連携して、miRNAの解析を行ったがCOVID19感染の影響で他施設との共同研究がうまく進まず、結局予定していた症例数が集まらず、残念ながら有意な結果は得られなかった。今後は日本小児がん研究グループと共同で、全国から検体を集めての多施設共同研究を計画する予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
Pediatric Blood & Cancer
巻: 69 ページ: e29702
10.1002/pbc.29702
日本臨床別冊腎臓症候群
巻: 1 ページ: 328-331